7月から8月中旬の今までの話し。
規制緩和によって18人までなら店内にお客さんが入れるようになってから1ヶ月以上がたった。
ニューサウスウェルズ州の新規感染者は少し増えて1日15人前後で推移していた。
郊外の飲み屋でクラスターが起きたり、住んでいる街の隣のエリアのスーパーに感染者が寄っていたことが分かったりしたりで、状況はずっと横ばいだった。
これ以上の規制緩和はまだまだ先といった感じ。
それでも毎日ちゃんと仕事があって、ご飯がいただける。
収入も安定していて、貯金も出来続けていた。
ファーム時代は食費もガソリン代もかかっていたので、今はそれが無い分、貯金に回せるお金はほぼ同じぐらい。
規制緩和後の仕事は蕎麦屋側のキッチンで揚げ場担当だった。
3つのフライヤーと、トースター。
左が1番新しい油で右が1番汚い。
1番左のフライヤーが天ぷら。
天ぷら蕎麦の天ぷらと、単品の海老天と野菜天、蟹天。
真ん中で、揚げ蕎麦と揚げ出し豆腐。
1番右で、唐揚げ、コロッケ、トンカツ。
上のトースターで、西京焼き、ビーフタン、塩鮭。
あとコンロで味噌汁。
これが担当だった。
毎日揚げ続けた。
天ぷらの盛り合わせ。
パンクした2週間後の月曜日。
オーナーの奥さんが知り合いの車修理屋に連絡してくれて、安いタイヤを探してくれた。
一緒にお店まで来ていただいた。
これで3本は新しめのタイヤで、1本だけツルツルの状態...。
車屋さんからも左右差が凄いけどいいの...?と言われるが仕方ない...。
何度見るのだろうかこういう光景...。
というか何で旅行に出て車のタイヤ買っているのだろうか...。
7月下旬の月曜日。
グレイズビルの家の大家さんにお勧めされたシークリフブリッジに行ってみる。
今ニューサウスウェルズで州内旅行に行こうというCMが流れてて、そのCMにも出てくる場所。
CM見たときに、こんな場所あるんだと思ったし。
シドニーから南西に70kmの場所。
途中のハイウェイの休憩所からの景色。
遠くにウーロンゴンの街が見える。
出発して1時間半ぐらい。
海沿いの綺麗な道を走って、シークリフブリッジに到着。
海に突き出す形の道。海沿いの橋。
車を停めて歩いて渡る。
下は海。
全長2kmぐらい。
有名な場所らしく、ドライブがてらの人も多かった。
崖の上から橋を眺めるのが綺麗っぽいけど、道の無い急な雑木林を抜けなければ辿り着かないから行かない。
下に降りる。
帰りに近くのビーチに寄る。
郊外だから人も少ない。
まぁ、良い休日...。
もう普通の観光地は全部行ったし...。
こういう場所しか残ってない...。
というか、せっかく高い車両税払っているんだから車乗らないと損だし。
貯金もこの状況で焦ってないから、休日はある程度遊んでいこうと最近思う。
ある夜、ニュートラルベイで1番有名で大きな飲み屋、オークスに行く。
どの街にも、その街の1番賑わっている交差点の角に、こういう飲み屋がある。
入り口で名前と連絡先を記入する。
ビール1杯9ドル、650円ぐらい。高い。
蕎麦屋の横の路地。
この場所で出勤前と後に煙草を吸う。
1日4回。
ニューサウスウェルズでの新規感染者は横ばいだった。
時々クラスターは起きるが、ロックダウン強化には至っていない。
いくつか制限はあるが、みんな以前に近い生活だった。
ただ、隣の州、ビクトリア州のメルボルンで新規感染者が急増加した。
毎日400人を超えた。
メルボルンは再びロックダウンになった。
しかも前よりも1段間厳しいロックダウン。
家から半径5km圏内しか出歩けず、それも買い物等の必要最低限。
メルボルンから他州に出た人が原因による感染もいくつかあった。
罰金刑や逮捕者も出ていた。
シドニーも再びロックダウンかなんて言われていたが、どうにか感染者数も横ばいで規制は現状維持だった。
ただ州間の移動はより厳しくなった。
特に感染者の少ないクイーンズランドや他の州では、他州からの入州を完全に禁止にした。
8月の初めの月曜日。
何か面白い事は無いか考えた結果、冬はクジラが見られることを思い出す。
こんな状況でもやっていた。
クーポンを使って44ドル、3300円。
もしクジラが見られなかった場合は、また他の便に無料で乗れるらしい。
朝9時と13時半発があって、13時半にした。
バスで中心街に向かう。
昼からビールを呑んでみる。
中心街のダーリングハーバーから船が出る。
お客さんなんて少ないのかと思っていたらけっこういた。
他の便は満席もあったらしい。
ダーリングハーバーを出発。
ハーバーブリッチをくぐる。
船はけっこうなスピードで寒い。
30分ほどで外海へ。
外海を30分ぐらい北上した時に隣の乗客が声をあげた。
遠くをよく見るとクジラの潮吹きが見える。
そこから10分ぐらい走った場所で船は減速した。
近くにいるらしい。
レーダーかなんかで追っているっぽい。
しばらくしたら背中が見えた。
デカい。
船は陸からそこまで離れている場所でもない。
地図を見ると、マンリーの沖合にいる。
クジラは登ってくると1分間ぐらい海面にいて、再び潜っていく。
尾びれも見える。
他の船も来た。
こっちはボートタイプ。
ザトウクジラらしい。
夏は南極にいて、冬のこの時期にオーストラリア沖合まで登ってくる。
7~9月がシーズンらしい。
船が2隻になってからは、クジラはあきらかに遊びだした。
好奇心が強いらしく、音に反応するらしい。
スタッフが乗客に手すりとかを叩いて音を鳴らしてとアナウンスをする。
2隻の間を行ったり来たりして、手や尾をパタパタする。
最終的に2匹のクジラが見れた。
小一時間ぐらいクジラを見せてくれた。
最後は船のすぐ隣まで来てくれたし、十分にクジラが見れた。
クジラが遠くに行ってしまったところで終わり。
シドニーに戻る。
大満足。
クジラなんて一生に1回見れるかどうかだし。
シドニーに住んでいるから見れた。
外海からシドニーに入るエリアは長い岩の崖になっていて国立公園。
船に乗っているだけども楽しい。
海沿いの高級住宅街を凝視する。
夕焼けのハーバーブリッチ。
湾の中にある小島。
昔の刑務所らしい。
全部で3時間ぐらいだった。
大満足。
休日はある程度お金を使っていこうと再び思う。
半年ぶりに来た中心街で買い物をして帰る。
中心街も人通りはいつも通りだった。
今年も誕生日が来た。
一昨年はアルメニアでタカとトモといた。
彼らにソーセージとビールをもらった。
去年はマンダベラでマミコにケーキをもらった。
30歳までに日本に帰りたいから、27歳の時に日本を出た。
帰ったら29歳で、なんだかんだ就職活動したりしていたら30歳だから、逆算して27歳の時に出た。
それがこのざまで、しかも前よりもずっと先のことが分からない。
来月すら分からない。
だいたいこれが終われるのかどうかすら、この状況では分からない。
というか、一生に一回の世界旅行中に、世界中の国境が閉まるとは思わないし。
20代最後の日は変な気持ちで。
日本で迎えていたら、もっと感慨深いというか、名残惜しい気持ちになったかもしれないけど、この状況では何も思えない。
30歳の抱負も30代へのイメージも、そんなもの考えられない。
全てが分からない。
来年の誕生日にどこにいるかなんて想像も出来ない。
20代は、後悔も間違いもあったけど、とてもとても色々なことがあったわけだし。
十二分に楽しかったし。色々なことをしてきたし。
30代ですね、そろそろしっかり出来ますかと言われた所で、状況が訳分からないので何も思わない。
変な気持ちだった。
誕生日は木曜日で仕事はディナーからだから昼間は休みだった。
グレイズビルでケーキをもらう。
嬉しかった。
毎晩仕事が終わると、全員ビールがもらえる。
毎晩持ち帰って、休みの日に呑んでいた。
この日も持ち帰ろうとしたら、オーナーから今日ぐらい呑めと言われ、お店の商品のキリンビールをもらう。
30代初めてのお酒は、キリンの1番絞りだった。
久しぶりの日本のビールはめちゃくちゃ美味しかった。
帰りぎわ、オーナーから袋を渡される。
誕生日プレゼントをいただく。
1ヶ月前ぐらいのスタッフの送別会で呑んで、とても美味しかった焼酎だった。
こっちで焼酎っていくらするのか...。しかもこんな良い銘柄...。
帰って久しぶりに実家と電話しながら呑んだ。
めちゃくちゃ美味しかった。
世界中で色々なお酒を呑んできたけど、産まれた国のお酒は全然違う物だと改めて思う。染みる。
久しぶりの日記を、数ヶ月間に分けて書いたけど、ずっとシドニーにいたけど、色々なことがあった。
世界中の全員がそうだけど。
毎朝起きてニュースを見る度に凄い暗い気持ちになる。
次の日記を書くとき、何がどうなっているのだろう....。
頼むからもう少し好転してほしい。
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なんだか苦難の道を歩いてますね
返信削除でも、やはり世界を渡り歩いて、いろんなものを見て、体験して、アクシデントもあって
多分、人が聞いたら羨むことばかりかも
きっといいことたくさんあるし、やはり長田さんはすごいと思う
応援してます